ヴェネツィアの夜、森を歩く。Golden Gooseが描く「HAUS」の物語
没入型アート体験「The Forest For The Trees」
ヴェネツィア・ビエンナーレの喧騒から少し離れたマルゲーラ。かつての工業地帯に息づくGolden Gooseの創造の拠点「HAUS」は、夜の帳が下りると共に、一冊の巨大な絵本へと姿を変えました。PLAYLAB, INC.と共に創り上げられたインスタレーション「The Forest For The Trees」は、訪れる者を無垢な好奇心へと誘う、静かな冒険の舞台です。

来場者は、手描きの巨大なセットや精巧なミニチュアモデルが点在する空間を通り抜け、やがて広大な「Hangar」へと導かれます。そこには、現実と空想の境界を曖昧にするような、深い森の風景が広がっていました。観る者と創る者が同じ地平に立ち、それぞれの物語を紡ぎ出す。それは、完成されたアートを享受するだけでなく、自らがその一部となるような、柔らかな体験でした。
光と影が交差する、クラフトマンシップの晩餐
創造の裏側には、常に人の手の温もりがあります。アトリエのテーブルに並べられた筆や絵具、描きかけのスケッチ。それらは、一つの作品が生まれるまでの膨大な時間と、職人たちの情操を静かに物語っています。この夜、HAUSは単なる展示空間を超え、世界中から集まったクリエイターたちが新たな潮流を分かち合う、現代のサロンとなりました。

ミシュラン星付きレストラン「Da Gorini」がプロデュースしたディナーは、まさに五感で味わうアートでした。森の世界観を映し出したテーブルセッティング、揺らめくキャンドルの光。日本から訪れたマリウス葉氏をはじめ、異なる背景を持つゲストたちが一つのテーブルを囲み、幻想的な空気の中で対話を深めていきます。皿の上に表現された季節の移ろいと、空間に満ちる木の香りが、一夜の記憶を深く刻み込みました。

未来へ繋ぐ、文化的プラットフォームの役割
HAUSは、単なるブランドの拠点に留まりません。そこには、次世代の職人を育てるアカデミーや、愛着のある製品に新たな命を吹き込むリペアの聖地「Manovia」が共存しています。伝統的なクラフトマンシップを尊重しながら、それを現代の感性で再解釈し、未来へと繋いでいく。この文化的プラットフォームが持つ精神は、特定の場所に縛られることなく、世界へと広がっていきます。

2025年には、この「HAUS」のコンセプトが東京・銀座へと上陸する予定です。ヴェネツィアで育まれた「自由」と「創造」の物語が、東京の街角でどのような花を咲かせるのか。クラフトマンシップという共通言語を通じて、私たちは再び、自分らしさを探求する旅へと誘われることになるでしょう。

施設概要
- 施設名
- HAUS Venezia
- 所在地
- Via delle Industrie, 27, 30175 Venezia VE, Italy
- 公式サイト
- https:/
/ www.goldengoose.com/ jp/ ja